厳美渓と明治の文豪幸田露伴の紀行文(その5)

枕頭山水(ちんとうさんすい)    (九)Page  5/5

厳美渓
りて頭から用いず、飯のみ食ひ了えて、書を一ノ関の知人言う所小旦那株の 熊谷某に与え、前夜来疲れしままに、ごろりと横になり、ぐっすりと寝 入りけるが覚むると()て二里余りの間を車いそがせ例の小旦那はや来 らる、水の音好く松の声好く蛙の歌好く、機転はたらき()らせ られたる麦酒も今宵はひとしお味好し
※頓・・・ひたすら ※本文の漢字カナについて