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りて頭から用いず、飯のみ食ひ了えて、書を一ノ関の知人言う所小旦那株の
熊谷某に与え、前夜来疲れしままに、ごろりと横になり、ぐっすりと寝
入りけるが覚むると頓 て二里余りの間を車いそがせ例の小旦那はや来
らる、水の音好く松の声好く蛙の歌好く、機転はたらき齊 らせ
られたる麦酒も今宵はひとしお味好し
※頓・・・ひたすら ※本文の漢字カナについて
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